
プレス加工は緊張感のある仕事です

プレスブレーキ、ベンディングマシンなどのプレス機械を使用し、プレス加工を担当しています。一般的には「曲げ加工」と言われる工程で、加工機の上下にセットしたプレス金型で金属を挟み込んで圧力を加えることで、硬い金属を任意の形状に変形させる加工です。
私の所属する部署では、主にステンレスやアルミを中心に加工しています。加工した製品は食品関連の装置部品や医療・介護機器の部品になるので、傷が厳禁となるケースも多くあります。
そのため、一度で思い通りの精度を出せるように、毎回 真剣勝負という気持ちで加工に臨んでいます。
10年が経ち、複雑な加工も任される存在に

入社して10年間プレス加工を担当していますが、実は入社した時は事務志望でした。
入社後の研修の一環で現場作業を見学した際にプレス加工に興味を持ち、「ちょっと現場も経験してみよう!」という流れで現場に配属され、そこから10年プレス加工一筋で今に至っています。
製造業に勤めるのが初めてだったので、入社した時は右も左も全くわからない状況でした。図面の見方や機械の操作方法などを一から丁寧に教わり、 とても助けられたことを覚えています。
今では加工の難しい複雑な形状の物件も任せてもらえるようになりました。プレス加工は、曲げる方向が増えるほど複雑になっていきます。一つでも順番を間違えてしまうと次の曲げができなくなってしまい、再切断になってしまうため責任は重大です。
プログラム部門と連携し、自身も図面をしっかりと理解して作業する必要があります。プレス加工機がどんなに進化しても、図面をしっかりと理解し、確認しながら作業するということはとても重要です。
難しい加工ほど、仕上がった際に達成感があります

プレス加工の立場から言うと「ホッパー」と呼ばれる円錐または角錐状の容器は、とても加工が難しい物件です。特にロール機では加工できない角錐状のホッパーの加工は、徐々に斜めに角度をつけながら感覚を頼りに仕上げていきます。
板厚が厚くなるほど微調整が難しくなるので、慣れないうちはとても大変な思いをしました。そういった経験を重ねることでプレッシャーにも強くなってきたように思います。難しい物件ほど、きっちりと図面通りの寸法精度で仕上がった時の達成感は大きいですね。
チームワークを大切に

今は副職長という立場ですから、後輩の育成にも力を入れています。
例えば大きな薄板はプレス加工の際にしなるため、協力し合って作業します。
最初はしなりのあった薄板も、曲げていくにつれて硬化していきます。また、金属には曲げた後にわずかに戻ろうとする性質もあります。そういった金属の特性も考慮しながら、曲げる角度や方向を決めなければなりません。
今後の展望

今まで曲げ一筋でやってきましたが、これからは溶接などのプレス加工の前後の工程の勉強も始めたいなと思っています。
後輩の二人に安心して仕事を任せられるようになってきたら、少しずつ新しい挑戦を始めていきたいので、そういう意味でも少しでも早く後輩を育てたいと思っています。