佳秀工業では、金属・非金属を含めて年間に約400種類の材質の加工を行っています。『金属・素材研究所』のコーナーでは、進化を続ける金属など新規素材の特徴について解説しています。
今回は焼付塗装で使用される「メラミン樹脂塗料・アクリル樹脂塗料・フッ素樹脂塗料・エポキシ樹脂塗料・シリコン樹脂塗料」の5種について紹介します。

目次
●焼付塗装とは
●塗装で主に使用される塗料
・メラミン樹脂塗料
・アクリル樹脂塗料
・フッ素樹脂塗料
・シリコン樹脂塗料
●さいごに

焼付塗装とは

焼付塗装とは、焼付硬化型の塗料にそれぞれ必要な熱(100~200℃)を加えることで硬化させ、素材の硬度や防錆性などを高める加工方法です。処理後の耐久年数は塗料によって様々ですが、短いものでも約4年、長いものになると約15年から20年ほどその美しさと性質を保つことができます。

焼付塗装で主に使用される塗料

・メラミン樹脂塗料 

この塗装にはアミノ系メラミン樹脂とポリエステル系アルキド樹脂が合成された塗料が使用されます。
メラミン樹脂は耐水性や耐摩耗性、耐衝撃性を持っていますが、この樹脂単体では硬化時に金属への付着にやや劣る一面を持っています。しかし、付着性や耐久性、可とう性に優れたアルキド樹脂と合成することで、メラミン樹脂単体の脆性を補い高い汎用性を発揮します。
このアルキド樹脂は顔料の分散の良さに加えて安価で手に入ることから、手頃な焼付塗料として広く使用されています。
数多くある塗料の中でメラミン焼付塗装の耐久性、耐薬品性、耐摩耗性は平均的と言えますが、比較的低温かつ短時間で焼き付けることができるという特徴があるため、板金など金属製品の塗装方法として最も使用されています。しかし耐候性に秀でておらず、常に雨風や紫外線を受ける屋外での使用にはあまり向いていないため、主に電子機器(パソコンなどのOA機器)や事務机、金属製の棚など屋内で使用する製品に施される塗装方法です。

・アクリル樹脂塗料

アクリル樹脂塗料はその名の通りアクリル樹脂を主成分とした塗料です。1950年ごろから開発製造され、希釈や撹拌が容易であることから現在はDIYでの使用も多くなっています。
耐油性や耐熱性に加えて、メラミン焼付塗装と比べると更に耐候性、耐薬品性にも優れる透明で光沢保持性の高い塗料です。また密着性が高いため軽金属の塗装に適していますが、メラミン樹脂よりも高い温度での焼き付けが必要であったり、塗膜が付きにくく厚くなるなどの理由から取り扱いが比較的難しい塗装方法となります。
しかしこの焼付塗装を施された製品は屋内外問わず用いることができるため、身近なものでは自動販売機や自動車、電車部品などに使用されています。

・フッ素樹脂塗料

この塗料はF(フッ素原子)とC(炭素原子)が強く結合しているフッ素樹脂を含んでいるため紫外線や雨の影響を受けにくく、一般的に評価の高いアクリル樹脂塗料やシリコン樹脂塗料(後述)よりも優れた耐候性を持っています。また、構造上FとCの距離が近いため電気的に安定し、プラスチック全般に対して低い誘電率を持つため、電気絶縁塗料・耐薬品性塗料として長期間の耐用が可能であるという特徴があります。
高耐食性や低摩耗性に優れ汚れを弾きやすい特性から、屋外で使用する資材やビルなどの建造物、消化器などにも使用されています。
他の塗料よりも高価になりますが、塗り替えまでの期間が長いためメンテナンスサイクルコストを抑えることができます。

・エポキシ樹脂塗料

代表的なエポキシ樹脂にはビスフェノールAとエピクロルヒドリンを含んだビスフェノールA型エポキシ樹脂があげられます。
この樹脂は靭性に優れており、エポキシ樹脂で構成された塗膜は高い密着性から剥がれにくいことに加え、硬化時の体積縮小率が低く電気絶縁性や寸法安定性が良いという特徴があります。
また特に防食性に優れているため、錆が懸念される船舶や大型の鋼構造物などに使用される塗料の1つです。耐熱性と耐薬品性にも優れていますが、芳香族である炭化水素を含んでいるため、太陽の光で酸化分解され塗膜の劣化を引き起こします(チョーキング)。そのためこのエポキシ塗料は下地用として使用されることが一般的です。

・シリコン樹脂塗料

シリコン樹脂塗料の主成分であるシリコン樹脂は、si(ケイ素)とo(酸素)が結合したシロキサン結合という分子構造を主骨格としています。この構造により230℃でも結合が崩れることがないほどの化学的な安定と高い耐熱性を持っており、自動車のマフラーや厨房機器用の耐熱塗料としても使用されています。
また、シリコン樹脂にアルミニウム粉を配合した耐熱塗料であれば、シロキサンとアルミニウムのより強固な結合により500 ℃の高温下でも耐えることができます。

さいごに

日本では約7,000年~9,000年前には塗料が作られていたそうで、塗装の歴史の長さが伺えます。
建築物や製品を長く安全に使用していくために、塗装はなくてはならない加工方法ですね。
佳秀工業ではの大型塗装ブース【8500x7000x3700】と西日本最大級の大きさ【4350x8350x3400】の乾燥炉を保有しています

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