佳秀工業では、金属・非金属を含めて年間に約400種類の材質の加工を行っています。『金属・素材研究所』のコーナーでは、進化を続ける金属など新規素材の特徴について解説しています。
今回は一般的なレーザー切断とひと味違うクリーンカット(無酸素切断)について紹介します。

クリーンカットとは

クリーンカットとはレーザー加工機で行う切断加工の1つです。
レーザー加工では溶解した金属(スパッタなど)がノズル内のレンズに付着するのを防止したり、加工(燃焼)促進などの理由からアシストガスと呼ばれるものを使用します。

アシストガスの仕組み


アシストガスには酸素ガス・窒素ガス・アルゴンガス・ヘリウムガス・空気(エアーガス)の5種類があり、一般的に使用されるのは安価で酸化による加工速度の向上作用がある酸素ガスですが、クリーンカットでは窒素ガスのみが使用されます。
そのため無酸素切断や窒素切断とも呼ばれています。

酸化被膜とは

酸素ガスを使用した切断加工では金属内の分子と酸素が化学反応(酸化)を起こし、加工面に黒っぽい酸化被膜を作り出します。
この被膜には材料の表面を覆うことで内部の酸化を抑える働きがありますが、酸化(イオン化)による電気・熱伝導性の低下といった特徴も持ち合わせているため、溶接の際にうまく溶け込まず接合箇所に割れやヒビが発生してしまう可能性があります。
そのため酸化被膜が発生した場合には、加工前にサンダーやグラインダーなどで被膜を落とす必要があります。

酸化被膜がついていない金属(左)と酸化被膜がついている金属(右)の写真

クリーンカットのメリット・デメリット

クリーンカットの1番のメリットは、アシストガスに不活性ガスの1つである窒素ガスを使用することで加工面に酸化が起こらないことです。
金属の表面に酸化被膜が前述のような被膜除去が不要なため、作業工程の短縮・削減から全体の効率化にも繋がります。
一方でデメリットは2つ。
長所でもある窒素ガス(不活性ガス)が、酸素ガスのようにレーザー光の燃焼を促進することができないため加工速度が低下してしまうこと、そして使用するガスの量が酸素ガス時の数倍にもなりコストが高くなってしまうことです。
ただ、材質や製品量などの条件次第ではクリーンカットを利用した方が低コストになる場合もあるので、状況ごとに検討してみると良いかもしれません。

最後に

近年はステンレスを中心に活用されているクリーンカット。
その断面は酸素ガスで切断したものと比べあっと驚くほどの美しさです。
溶接や塗装などの後加工によって目に触れる機会がなくなってしまうのが残念ですが、この隠された美しさは私たちの生活の安心と安全のために精度や品質を追求した証と言えるのかもしれませんね。

佳秀工業では大型物件のクリーンカットも可能です。

ワークサイズ:6,100 × 3,050(mm)・SS t22.0  SUS t19.0 まで対応

加工で悩んだらまずはお気軽にご相談・お見積りください!